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アニメ、テレビなどの感想や語り中心。現在更新停滞気味ですすみません。
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 「あ、お帰り。アスミン」
 そう言ってあたしを出迎えたのは、タカティン一人。ミオとモジャビーを学校に探しに行って、ビッコロに帰る頃には、既に日が落ちていた。
 「あれ? セイコーとマスーニョは?」
 「二人とも疲れたらしくって部屋で寝ちゃったよ」
 「ええ!? ったく、アイツらー…」
 「まあ、もう少ししたら起きてくるんじゃないかな。お風呂とかまだだし」
 と、至って普通な会話をしていたあたし達。違う、コイツには一つ言ってやらないといけないことがあるんだ。
 「つーかタカティン…よくもまあ、呑気に『お帰り』なんて言えるな」
 「…どういうこと?」
 「コイツー…忘れたとは言わせないからな!! 何でいっちいち情報あった場所を通るたびに、わっざわざその情報をもっかい言うわけ!?」
 「え、だって…その方が覚悟ができていいかな、って」
 「覚悟も何も、余計に気にしちまうだろ!!」
 タカティンに入る隙を与えないように、言葉をまくし立てる。そのまま勢いで襟元をつかんだ。
 「ち、ちょっ…アスミン! 乱暴はよくないよ!」
 「誰のせいだ、誰の!!」
 「…あ、分かった。アスミン、やっぱり怖かったんだ?」
 「なっ」
 予想外の言葉を投げかけられて、手元が緩んだ。その間に、タカティンの浮いていた足がまた地面に着いた。
 「ちちち、違うよ!! 誰があんなもん怖がるかっ!」
 「そんなこと言ってー…正直になりなよ」
 「あ、あたしはいつだって正直だぜ!」
 さっきまでこっちが攻め立ててたのに、今となってはすっかり立場逆転。何だよその得意げな顔…腹立つな。
 …って何だよ。いきなりそんな真剣な顔して。おい、やめろって。困るだろ。
 「…アスミン」
 「な、何だよ?」
 「僕がいなくて、寂しかった?」
 「!」
 何で、どうして。急にそんなこと言うんだよ。あたしをからかって、楽しんでるのか?
 「そっ、そんなわけないだろ! タカティンなんかいなくたって、こうしてちゃんと帰って来れ…」
 「いいんだよ、正直になって。さっきも言っただろ?」
 「だからっ、あたしは…」
 「アスミンはいつも強気だよね。でも、誰にも負けないくらい繊細で可愛い部分があることも、僕はよく知ってる。たまには素の自分を出しても、誰も責めたりしないよ」
 そう言って、タカティンは微笑んだ。

 やめろ、あたしは世紀の女海賊なんだぞ。こんなことで泣いたりなんかしたら…じいちゃん、何て言うかな……
 
 あたしはいつの間にかタカティンの胸に顔をうずめて泣いていた。あくまでも小声で、だけど。
 「怖かったよお…怖かったに、決まってるだろ……。責任は、とってもらう、からなあ……」
 「分かった分かった。責任でも何でもとるよ」
 タカティンはあたしの頭を軽く、ぽんぽん叩いた。こんな時だからって…ちくしょー……いつか覚えてろよ…。

 けど不思議と、悔しいけど嫌な気はしなかった。何でだろう。
 …相手がタカティンだから?
 
 って、んなワケないじゃん。バカだな、あたし。

 結局その後数分間、あたしは泣いていた。一言も会話は交わさなかったけど、あたしが泣いてる間、タカティンは文句一つ言わずに、たまにさっきみたいに頭をぽんぽん叩いてくれた。まるであたしを慰めるように。

 ……バカ。

 そうして、涙がようやく止まった頃、ふと見るとタカティンの上着には少し大きめの水滴の跡が…なんてことはない、あたしの涙の跡だ。
 そりゃあこんなに長い時間泣いてたらそうなるに決まってる。あたしは慌ててタカティンから離れ、謝った。
 「ご、ごめん! あたしすっかり…」
 「え? どうしたの急に? …あ、これ? いいよいいよ、別に。気にしないで」
 「でも……まあいいや、とりあえず上着貸して! 洗って返すから」
 「気にしないでいいって。 …僕は構わないよ、アスミンの涙なら」
 「…えっ?」

 あたしの、なら?
 あたしの、だから?

 とっさにそんなことを考えて言葉も無くしたあたしに、タカティンはこう付け加えた。
 「アスミンが泣いたって言ったら、皆どんな反応するかな~♪」
 「なっ……タカティン!!!」
 「やーい、泣き虫アスミーン」
 「このやろっ…待て!!」
 やっぱり期待したあたしがバカだった。アイツはアイツなんだ。
 この後、あたし達は夜のビッコロを駆けずり回った。あくまでも、叫び声は小声で。
 にしてもジャークビーム禁止とか言うから、捕まえて謝らせるまで時間かかったじゃねえか。…まあ夜中だし皆寝てたし、ジャークビーム禁止はごもっともだけど。
 それで、タカティンを捕まえた頃には二人とも大量に汗をかいていて、タカティンの上着のあたしの涙の跡もすっかり乾いてた。
 
 …もしかして、あたしが泣いたってバレないようにわざと……?

 捕まえて一発パンチでもおみまいしてやろうとした時に、そんな考えがよぎった。
 …まさかな。アイツがそんな奴なだけだってば。
 
 でも。
 でも、ちょっと信じたいんだ。
 さっきの、『アスミンの涙なら』っていう言葉を。
 
おわり

バックグラウンド的な参考はこちらをどうぞ→ビットワールド・ナウ 2010年7月2日放送分


続きからで語ります。

拍手[3回]


予告通り、連続ビットでの更新となりました。まあマスアスにも増して趣味全開で申し訳ないです(笑)
このシチュエーションを観てから、二次創作の題材にしたいなあと思ってたのです・・・!タカティン行ってやれよというツッコミをこんな形で消化しました。・・・何か違うな、うん。

ちなみに一番書きたかったのは、「僕がいなくて、~?」のところです。

あ、一応補足しておきますが、前回も今回も、全てその場のノリで書いてます(笑)
無論大体のあらすじは考えてからやってますが・・・これからもそんな感じです、多分。


さて、昨日今日と連続更新しましたが、これからはかなり不定期になると思うので、気長に待ってやって下さい;
前回書いた通り、今月中にあと一つは完成させたいです。

そう、しし座月間のうちに!!


とかいっといてUちみさん、書けなかったらすみませんorz
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